「表面仕上げ」の違いによって琉球石灰岩の表情は大きく変化します。 また、用途に適した表面仕上げと吸水防止等の二次処理を組み合わせる事で、現代建築の様々な要望に応える汎用性の高い石材となります。
ダイヤモンドソーやガングソーなどの切断機で切断した表面の仕上げです。 琉球石灰岩の象牙色の色彩と無数のス穴が 他の石材にはない 表情を持つ為、この切断しただけの状態でも装飾材として十分な魅力を持っています。
ビシャン(突起のついた槌)でコツコツ叩いた仕上げ。近年は機械化によりエアー式のビシャン機を使用しています。 ビシャンで叩くことにより切断しただけの状態よりナチャラルな印象を与えます。また、滑り止め効果も併せ持つため、 屋外の舗装材にも多用されます。
山から切り出した原石をゲンノウなどで適当な大きさ、厚みにしたもので、表面はゴツゴツとした自然な仕上がりです。 石積みにも似た風情がこの仕上げの最大の魅力です。
機械で切肌仕上げした表面を“ス穴を埋める→荒研ぎ→中研ぎ→研磨”の順で仕上げ、光沢を出した仕上げを「本磨き仕上げ」と呼んでいます。 この光沢が大理石にも似た風情を生み出しています。(「本磨き」の場合は艶を失わないために、屋内で用いるのが最良。) 光沢が出る一歩手前の仕上なのが「水磨き仕上げ」で、ライムストーンの素材が持つ柔らかさを感じさせる仕上げとなっています。
室内壁 | 室内床 | 屋外壁 | 屋外床 | 水廻り | |
切肌仕上げ | ◎ | × | ○ | ○ | × |
ビシャン仕上げ | ◎ | × | ○ | ○ | × |
割肌仕上げ | ◎ | × | ○ | × | × |
水磨き仕上げ | ◎ | ○ | ○ | ○ | × |
本磨き仕上げ | ◎ | ○ | × | × | × |
琉球石灰岩は非常に吸水性が高い石材になりますので、雨に晒される場所では、表面に苔等が生育し、石材の表情が変化します。 苔が生育すること自体は、自然石としての重みや風情が出て、悪いことではありません。逆にその特徴を生かした使い方もあります。 しかし、切ったままの象牙色の色彩をいつまでも楽しみたいという場合には、吸水防止処理もしくは定期的なお手入れが必要になります。 尚、屋内で使用の場合や軒下など雨に濡れない場所の外壁であれば、この変化はありません。
弊社では琉球石灰岩の表面保護材としてACS-COATを販売しております。ACS-COAT(ACSマーブル・ASCウォーター)は、 浸透性の吸水・汚れ防止剤であり、一般の吸水防止剤(シラン系)のように表面撥水を目的とした製品ではなく、 琉球石灰岩の素材本体が持っている毛細管を埋め、素材を緻密にして吸水性を低下させる製品です。ACSCOATを 琉球石灰岩の表面に塗布すると、内部深く浸透し、化学反応により極めて耐久性のある分厚い防水・防汚層を形成し、 長期にわたりカビの発生・風化・凍害・塩害・エフロ(白華)・煤煙等の汚れから守ります。
※石の色・質感を損なうことなく自然に仕上がり、不自然な光沢を出すことはありません。
※水分の吸水を防止致しますので、琉球石灰岩が濡れ色になることを防ぎます。
※通気性も有しておりますので、塗布体内部に湿気が異常に溜まることもありません。
吸水防止処理をすることにより屋外でもある程度の汚れと風化は防ぐことが出来ますが、効果は永久ではありません。 購入当初の風合いを維持したければ、ブラシ等のこすり洗いで(頑固な汚れの場合は中性洗剤を使用して)汚れの除去をしたあと、 再度吸水防止処理を行ってください。 但し、本磨きの石材の場合は、光沢が失われる原因になりますので、こすり洗い・酸性洗剤での洗浄は絶対に行わないでください。 軽く拭き取る程度でお掃除下さい。