琉球石灰岩は、今から数万年以上前に海中の珊瑚や貝殻などが堆積してできた多孔質の堆積岩です。 沖縄本島中部、南部、また宮古島、多良間島、久米島など沖縄諸島全域に存在しており、保湿性、通気性に優れている特長と、珊瑚等の化石模様が織りなす味わい深い素材感により、 沖縄では古くから城壁・石垣・階段など、さまざまな場所に使用されてきました。
現在では、特に他の石材にはない優しく明るい色合いが注目されるようになり、沖縄県内はもちろんのこと、県外でも使用されることが増えてきました。
その利用方法も各種室内演出、建築塀、庭石、玄関のアプローチ等、以前より幅広い場所で用いられるようになってきています。
琉球石灰岩は、美しい象牙色と大小の孔を無数にもった天然素材なので、タイルや御影石にはない、やわらかな印象を建築物に与えることができます。
自然の堆積岩ならではのランダムな模様は、人工物には真似のできないナチュラルな魅力にあふれています。
さらに、現代のさまざまな表面仕上げの技術が、使用する場所に合わせた最適な表情を引き出します。
琉球石灰岩の無数の孔には、表面温度の上昇を抑制する効果があります。そのため日光の
直射を受けても、コンクリートや御影石等に比べて熱くなりにくく、裸足で歩くことができます。
近年ではその機能が注目され、河川や海辺の親水施設に多用されています。 都市緑化と併せて、
高い吸水性と表面温度上昇の抑制能力を持つ琉球石灰岩を使用することにより、
ヒートアイランドへの対策としてより高い効果が期待できます。